「プロジェクトファシリテーション」と「ファシリテーション」

一般的に言われる「ファシリテーション」はとても広い範囲をカバーしています。
会議の場を対象とした活動から、市民団体の活動やNGO、さまざまな場所や局面、そして目的の中でファシリテーションは活用されていますし必要とされています。


一方プロジェクト・ファシリテーションは、プロジェクトという制約の中でのファシリテーションに焦点を当てています。
これは、プロジェクトに限定していると言うわけではなく、視点をプロジェクトにおいてその上でファシリテーションするといったニュアンスになります。


プロジェクト全体の流れをスムースにしてその活動が促進されその成果より大きくなるようにファシリテーションを行うことになります。
このプロジェクト視点で関わると言う点が重要で、この点にプロジェクト・ファシリテータは意図や意識をします。
会議ファシリテーションに代表されるように、ファシリテーションでは時間的にやや短期的なその場の活動として捉えられることがあります。
プロジェクトファシリテータは、多くの場合プロジェクトのメンバー達と多くの時間を共有し、時間的に長期的な視点に立ってファシリテーションを積極的に行います。

また、プロジェクト・ファシリテーションの生い立ちの過程では、アジャイルプロセスやトヨタ生産方式、また、コミュニケーション活性化の方法などが取り入れられ、プラクティスとして、朝会、かんばん、ふりかえり、にこにこカレンダーなど、より具体的なものも例示されています。


にこにこカレンダー


たとえばこのにこにこカレンダーを行うと何が起こるのかを説明してみましょう。
多くの人がこれを見て嫌悪感を抱くことはほとんどありません。プロジェクトファシリテーションの価値にある「笑顔」のひとつです。
相手の笑顔を引き出すためには、まず自分が笑顔になること、これはとても簡単な真理です。


このシール貼りが進んでくると、見ている人が一つ一つの顔の表情に着目するのではなく、全体の印象から何らかの感情が生起されます。
この感情は、その人の生い立ちから経験にいたるコンテキストの中から生起されるもので、その行動は人それぞれとなりますが、その人がより良い(自分にとって)環境にするための行動へと向かわせる元になり、その行動が期待されます。


誰かの調子が悪そうだという時や、普段見せている表情と異なる表現をしている時に見る人は違和感を覚え気になります。
そしてそこに対して何らかの働きかけが行われることが期待されるわけです。


ここの示したのは、期待する効果の一例であり、感情や様子を表現する、可視化(見える化)する方法の一つです。